前回は、忘れがちな満期保険金を受け取った場合の確定申告についてお話しました。
前回のブログです。 ↓ ↓
毎年、確定申告をしていない方でも、満期保険金を受け取った時には要注意ですね。
確定申告が必要かどうか確認をしましょう。
前回もお話したように、保険金を受け取って所得税が増えたのに確定申告をしていないと、税務署から通知がきます。
税務署は保険金の入金があったことを知っているからです。
「自分の口座に入金されただけなのになんで!?」
と驚かれる方もいらっしゃいますが、答えは簡単で、保険会社が、いつ、誰に、いくら保険を振り込んだのか、税務署に報告しているからなんです。
保険会社は税務署に報告する義務があります。
今回は、満期保険金を受け取っても確定申告をしなくても良い場合と、
思わぬところに影響が出てしまう・・・
というお話をします。
まず、確定申告をしなくても良い場合です。
・保険金による利益が50万円以下の場合
保険金を受け取った際の「利益」とは、
前回もお話しました通り、保険金の受取額から保険料の支払い金額の合計を差し引いた金額です。
税金の対象になる金額は、その「利益」から50万円引いて1/2をした金額ですので、
「利益」がそもそも50万円なければ、税金の金額に影響が出ません。
そのため、確定申告も必要がありません。
・利益が50万円を超えていたとしても、税金がゼロの場合
所得税を計算する際には、所得控除を必ずします。
所得控除には、メジャーなもので言うと配偶者控除や生命保険料控除があります。
それと、どんな人にでもある基礎控除というものがあります。
基礎控除によって38万円が一律控除されます。
例えば、専業主婦(夫)などで他に他に所得がない場合で、保険での「利益」が100万円のときは、
(100万円 - 50万円)× 1/2 = 25万円
基礎控除の38万円を引くとゼロになり、税金もかからないので確定申告の必要はありません。
次に、思わぬところに影響が出てしまう・・・場合です。
例えばこんな場合です。
専業主婦(夫)で他に収入のないAさんが、自分が契約者の満期保険金を受け取りました。
その保険を受け取ったことによって200万円の利益が出ました。
この場合、Aさんの税金の対象になる金額は、
(200万円 - 50万円)× 1/2 = 75万円
先ほどお話しました通り、基礎控除額38万円超えてますので確定申告が必要です。
他に所得控除をするものがなければ、所得税は18,500円、住民税は40,000円前後かかります。
Aさんの所得税と住民税を納付する・・・これだけでは終わりません!!
世帯主のBさん(Aさんの配偶者)の税金にも影響が出る可能性があります。
Aさんが専業主婦(夫)で他に収入がない場合には、Bさんは配偶者控除を受けています。
Aさんに保険金の収入があって「利益」が75万円の場合、Bさんは配偶者控除を受けることができません!
(平成29年までの場合。平成30年からは配偶者控除が変わります!)
Bさんは配偶者控除を受けられない、ということはその分税金は増えます。
Bさんが最初からAさんに保険収入があって今年は配偶者控除を受けられないとわかっていて、
そのように例年と違うように確定申告又は年末調整をしていれば別ですが、
例年通りに配偶者控除を受けてしまっていると、Bさんは税金を計算し直して追加で納付することになります。
Aさんに保険収入があることによって、Aさんだけでなく配偶者のBさんも追加で納税しなければならない状況になる・・・
首をかしげたくなるような話ですが、これが税金の仕組みです。
満期保険金を受け取った際にはその支払通知をよく確認してみましょう!!
そして失くさないように保管しておくことをおすすめします。