前回、前々回と法定相続情報証明制度についての投稿をしました。
簡単にまとめますと、
一定の申出を行うことによって、法定相続情報一覧図の写しを必要数であれば何枚でも無料で請求できる。
その法定相続情報一覧図の写しを使うと今までよりも相続手続きが便利になる。
という制度です。
(詳細につきましては前回、前々回の投稿をご参考ください)
この制度の創設には、相続登記がなされていないまま放置されている不動産が増加している、という背景があるそうです。
確かに、いつまでに登記しなければならない、よいうような期限があるものでもないですし、
手続きが面倒で後回しにしてて失念してしまうこともありそうですね。
そもそも、亡くなった方がそんな不動産を所有しているなんて知らなかった!
というようなこともありそうです。
このように登記せずに放置されている不動産の増加がよくニュースなどでも聞く空き家問題の要因の1つとも言われています。
所有している不動産を自分で住むのも、貸すのも、空き家にしておくのも個人の自由ではあります。
しかし、近隣の迷惑になってしまうようでは放ってはおけません。
空き家は管理・修繕を怠ると老朽化するのも早く、倒壊や衛生上の問題などにより近隣に影響を及ぼすおそれがあります。
このような空き家問題に対応すべく、法定相続情報証明制度以外にも税制の面での対策も講じられています。
1つ目は固定資産税です。
これは簡単にいうと空き家を放置すると固定資産税を上げますよ~という、ペナルティ要素の強いものです。
固定資産税にはもともと住宅用地の固定資産税を軽減する仕組みになっています。
そしてそのペナルティとは、一定の危険な空き家の土地にはこの軽減を適用しません、というものです。
危険な空き家とは、例えば、放置した状態が続くと倒壊等の危険が生じるため市に町村から修繕などの必要な措置を講ずるように勧告を受けた空き家です。
2つ目は所得税です。
こちらは空き家の売却に対しての税金を優遇する制度です。
「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
不動産を売却した場合に買った時より売った時の価額が大きいときや買った時の金額が不明のときには、譲渡所得税がかかります。
自宅を売った場合には、上記の場合でも3,000万円の特別控除を受けることができ、税金が安くなったりかからなくなったりすることができます。
しかし、親から相続した住宅だとどうでしょう??
例えば父が先に亡くなっていて母が1人で住んでいた住宅を相続して売却した場合は、本人の自宅ではないので3,000万円の特別控除を受けることができません。
そこで平成28年4月1日~平成31年12月31日の期限つきで設けられたのが、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」です!
要件を満たせば、自宅を売却した場合と同様に3000万円の特別控除を受けることができます。
ただ・・・
この要件、満たさなければいけないものが少なくありません。
また空き家の証明も必要となります。
また詳細は別に投稿できたらと思います。